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羽生結弦くんの応援ブログです。ここで記載されている内容はあくまでも私の個人的な意見であり、正当性を評価したものではありません。どのように受け取るかはそれぞれがご判断ください。

グランプリ・ファイナル 王者の復活劇 1 

グランプリファイナルが始まった。
ジュニアの大活躍を見ながら、不安は拭えなかった。
あのNHK杯からまだたった2週間。

できることなら行きたかったバルセロナ
12月が〆づきの私の会社ではその選択は難しかった。
しかも日本ではライブ放送がない。
今年はIcenetworkの有料会員になっていてよかったと思う。

とは言っても、通常はIcenetworkはジオブロックがかかるので、普通にはアクセス出来ない。
ショートの時も、フリーの時も1時間近くをプロキシ探しに費やす。
それでも、比較的安定した画像で競技を見ることができたので、お金を払っている意味はあったと思う。
もちろん、放映権を持っているテレビ朝日にはもちろんライブでやってくれたらいいのだけれど。

バルセロナに入ってからの、ゆづの練習映像を見て、今度はもしかしたら、と、少しは期待していた。
クワドの回転のスピードアップと軸が細くなっているのが見て分かるほどだった。
取り戻しつつあるんだな、と感じることができた。

シニア男子の前にジュニア男子のフリーのしょーまを見て、私はやっぱりな、と思ってた。
しょーまがクワドとアクセルをものにして、シニア顔負けの高得点でジュニア王者を手にしていた。平昌オリンピックでゆづの連覇を阻むかもしれないライバルの一人になる予感がひしひしとしていた。
ほら、ゆづ、後ろから、貴方がそうしてきたように、若い選手が追い上げてくるよ。
それを見てどう感じているんだろう。

ショートの6練を見ても、クワドもアクセルも安心してみていられた。
後はお散歩ルッツが帰って来てくれるかどうか。
彼のルッツは時々、お散歩する。
跳び上がった時に上体が前傾姿勢になるときはとても危険。
調子のいい時はそれにセカンドジャンプをつけるけれども、ヒヤヒヤしながら見ることになる。

スタート位置についた彼の顔を見て、今日は大丈夫、そう思っていた。
この日の羽生結弦は自らショパンの旋律を奏でるような滑りで私たちの心配を払拭してくれていた。今シーズン、試合で始めて決まったとは思えない素晴らしいクワドトウ。
私を魅了してやまないジャンプがそこに戻ってきていたのだ。
カウンターからのアクセル、そしてイーグルへの流れもとてもとても美しかった。

ショパンのバラード1番はとても難しい選曲だと思っていた。
音楽が引っ張ってくれるプログラムではなく、音楽とシンクロしなければならないそれ。
一つのピースがかけるとどんどんバランスが悪くなっていく。
それは前の2つの試合を見て感じていたことだった。

けれどこの日は彼が音楽を奏でているような滑りだった。
最後のルッツのコンビネーションは決まらなかったけれど、復活を感じさせるのに十分な出来だった。

よかった、ここまで戻せたんだ、という安堵感でいっぱいになった。
そして、転倒したにもかかわらず笑っていた彼。
演技が終わった時に舌をだす余裕があった。
キスクラでも終始、笑顔だった。

彼らしい滑りが戻ってきたこと、そして何より笑顔が見れたことが嬉しくて。
中国杯NHK杯で自分の中に溜め込んでいた負の感情が溶けていくような気がしていた。

このグランプリファイナルで彼が復活して勝利を手にして欲しい、
彼が望む表彰台の一番上に立たせてあげたい、そう考えていたけれど、
彼が楽しそうに滑っている、それが何よりも尊いものなもかもしれない、とも思えていた。
いつものように滑れることが本当に嬉しいんだなというのが全身から伝わる演技だった。

TESカウンターが50点を超えていたので、ああ、これは90点台がでるな、とすぐにわかっていた。
本人はちょっと驚いたようだったけれど。
スピンも、ステップもレベルが取れていたから当然の結果だと思う。

あとでヴォロノフがノーミスだったのにゆづの方が点が高かったのはおかしいという人が意見が出ていたことを知った。
まだ、転んだら致命的だと思っている人がいることに愕然とする。
ジャンプ一つとっても、ただ跳べばGOEがつくわけではないことはルールを見ればよく分かる。

GOEが高くつくための要素を満たしていたかが重要なわけで。
同じクワドを跳んでも、ただ跳んだ、と素晴らしく跳んだには2点~3点の違いが出る。
しかもどこで跳んだかによって、ベースバリューが違う。
ゆづはトリプルアクセルを後半にしかも難しい入りから完璧に跳ぶことによって、そこでも、他の選手と差をつけようとしている。

点数は積み重ね。
ひとつひとつのエレメンツの質をどれだけあげられるか、で結果は大きく違っている。
私はヴォロノフさんも好きだけれど、彼が点数を出すためにはもうちょっと、3Aの助走を短くして工夫するとか、そういう事が必要だと、分かるようになった。
2年もドハマりして、沢山の選手を見て、プロトコルの疑問をひとつひとつ紐解き、教えてもらってくれば、だいたいは分かるようになる。

ルールが難しすぎて分からないというのは詭弁だと私は思う。
確かに分かりづらい。
私だって最初はまったく点数がどう出るか分からなかった。
GOE、なにそれ?という感じだったと思う。

それでも選手はルールに則って、0.1点でも多くかき集めて、勝ちたいとそう願っている。
そのために多くの時間を費やして、苦しい練習をこなしているのに。
それをただ見ているだけのファンが、難しすぎてわからないけど、何かおかしい、なんて、
言葉にする必要はあるのだろうか?

ただプログラムを見るのが好きなんで、ルールが分からなくていいと思う人がいてもいいと思う。
それなら、結果にいちゃもんなんかつけなきゃいいんだよ。
それを口にすることで何を得ようとしてるのだろう?
きっとドコまで行っても、私には理解出来ない。

そんな批判にもさらされるトップアスリートは大変だな、と思う。

つづく。