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羽生結弦くんの応援ブログです。ここで記載されている内容はあくまでも私の個人的な意見であり、正当性を評価したものではありません。どのように受け取るかはそれぞれがご判断ください。

【世界フィギュア】EX-ニースロミオという十字架

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ソチのエキシで「White Legend」を見てから、世界選手権でエキシはきっと「ロミオ」だろうと思っていた。
ディープなゆづファンの多くはそう思っていたと思う。
だからSMCのゆづの困ったな~な感じを見て図星だったんだろうな、と。

だから、敢えてそれを聞く必要はなかったんじゃないのかな?と私はその時は感じたのだけれど。
でも、あの質問が出たことでゆづがこのプログラムに対して思ってきたことを口にできたことはよかったことなのかな、とも思えてきた。
「たとえ同じプログラムを滑ってもあの時とは違う」というその思いを。

ニースのロミオを見なかったら、私はこんなディープなスケオタにはならなかった。
私にとってのソチオリンピックの主役は間違いなくカーリングだった。
あの演技をライブでテレビで見たことが私にとっての始まりだったから。
今思えば、少年が魂で滑ったようなプログラムだったんだよね、あれは。
ライトファンな私が見たどのプログラムとも違った。
ロミオとジュリエットだったけれど、あれは「羽生結弦」の感情の発露がもたらした奇跡だった。

だから生でみたいという気持ちと、今、あれをやってももうあのロミオじゃないだろうと思う気持ちが混在していた。

しかも今年はおなじテーマのロミオとジュリエットを選んだこともあって、最初はずいぶん、比べられたと思う。
ニースのロミオの方がよかったという意見も多く溢れていたのも事実。
それでもこのオリンピックシーズにその危険を冒してそれを選んだ。
もしかすると「ロミオとジュリエット」という物語は彼にとって、不条理と戦う少年の物語として自分の中に定着していたのかもしれない、なとも思う。
そう、自分を表す「代名詞」的なそれ。

GPF、ソチオリンピックを経てのワールドでやっと完成に近づいた新ロミオ。
世界のタイトルを3つも取るという快挙を経て、やっと今までの自分を卒業できる、そう感じたからこそ、このロミオをやるという気持ちになったのかななんて想像していたりして。

現地で見ていた私は演技そのものよりも彼がこのロミオを演じてから歩いてきた道のりが思い出されて、またもや泣けてきた。
ええ、もう、何度でも泣きますよ。

席が少し遠かったので表情まではよく見えなかったけれど、同じことをやっているのに余裕がある。
あの時の必死だった少年の姿はそこにはなく、王者になって、まるで過去の自分の足跡を静かに振り返る、そんなような演技に見えた。

家に帰ってきて、ビデオを見て、気づいた。
彼が「終わった」と呟いてたことに。

そう、終わったんだよね。
あの時から背負ってきたたくさんの人の思い。
結果で答えようとして突っ走ってきた日々。
辛いことも苦しいこともたくさんあったと思う。
私たちには想像もつかない世界がそこにはきっとあったのでしょうね。

それでもちゃんと目指していたところにたどり着いて、最高の結果につなげた。
だから、このエキシはあの時からの自分との決別の儀式だったのかもと思えるほど、真剣に滑りきっていたよね。
エキシでコンビネーション3つなんて聞いたことないよ。

きっとこのロミオはこれで見納めなんだろうね。
だって、もう、今の君にはこのプログラムは似合わない。
「パリの散歩道」で滑っている方が君らしいよ。

私たちにそれを教えてくれるための選択だったのかな?

君はロミオという十字架をおろし、そこから卒業して、
新しい「羽生結弦」の世界をこれから作っていくんだよね。
そして、また私たちを驚かせたり、ハラハラさせたりしながら次の目標に向かって走るのかな、とそう思えた。


少なくともあと4年。
私も一緒に全力疾走だ。
必要なのは体力と財力だ。

がんばって、稼ごう・・・・。