【雑感】ソチを巡る攻防とその結果に思うこと
代表選考の日、私は会場にはいませんでした。
そこにいることが自分にとっていい感情をもたらさない、と何となく感じていたのかもしれません。
テレビで女子のフリーの演技を見ていて、ああ、行けばよかったかな?と思った自分もいたのですが。
そして、その結果を受けて、思ったこと。
無良くん。
オリンピックに行くには全日本優勝しか選択肢がなかったんだよね。
今シーズン、スケートカナダで演技を見たとき、びっくりしたんだよね。
先シーズンの活躍ぶりから見ると、あまりに仕上がってなくて。
フリーでコンボもひとつも跳べてなかったし。
どうしちゃったの?って感じだった。
NHK杯で少し復調してたから、全日本に繋がって欲しかった。
何か歯車が狂っちゃったシーズンだったのかな?
織田くん。
スケートカナダ、GPF、そして全日本。
ゆづと一緒だったこともあって、織田くんの演技も生で3回も見ることができたシーズンでした。
過去はテレビで見るくらいのライトファンだったので、生の織田くんを見たのはいい演技ばかり。
本当に凄い選手なんだな、という印象しかありませんでした。
カナダでもプログラムの性質もあると思うのだけど、ゆづのフリーよりも会場は盛り上がっていました。
カナダで3位、NHK杯で2位、GPF3位という今年の成績は本当に立派だったと思う。
GPFは大ちゃんの代わりだったのにも関わらず、ちゃんと成績につなげていたし。
全日本のSPで4回転が決まってたら、と本当にそう思った。
フリーでもの凄い勢いで巻き返したと思うけど、ちょっと、足らなかったね。
最後のキスクラは素敵な笑顔でよかった。
せめてワールド、行けたらよかったね。
そうしたら、もう一度、あの演技がみれたのにな。
小塚くん
テレビで見た印象と、生で見た印象が一番、違ったのは小塚くん。
あんなにも綺麗にスケートを滑るんだ、というのが今回の全日本の印象でした。
パトリックと一緒で、自分も無意識に足下が見たくなっちゃう感じ。
彼のスケートは「ノーブル」な雰囲気。
怪我と折り合いをつけながらここまで復調して、結果につなげた努力が素晴らしいと思います。
GPSの結果がもう少し、出せていたらオリンピックに行けたのかな?
まだ、小塚くんのスケート、見たいなと今回、強く思ったので、ぜひ、続けて欲しい。
だから、オリンピックは仕方ないけど、ワールドには出してあげたかった。
これからの選手生命を考えると。
いろんなことをこれからじっくり考えてこれからのことを決めていくのでしょうけれど、
もう少しスケートをやる、という選択をしてくれることを祈ります。
ゆっくり一休みして、四大陸選手権、頑張ってください。
町田くん
シーズン序盤から、本当に気迫が凄かったよね。
オリンピックに行くんだ、というその思いを強くもって、自分を奮い立たせてた。
会場でもお友達と話をしていたけれど、去年の全日本の結果を見て、町田くんがオリンピックに行くことを、予想できた人はいなかったと思う。
それくらい真摯に弱かった自分と向き合って、ひとつひとつ手に入れてきた。
スケートアメリカ1位、ロステレコム1位、GPF4位、そして全日本2位。
素晴らしい成績だったよね。
今年の町田くんが凄いな、と思うのは体調が悪いときでも結果をまとめることができること。
GPFでの失敗を見るまで、4回転が失敗するなんて思えないくらいだった。
インタビューで難しい言葉が飛び交っていて、それもクローズアップされたけど、あれこそが、町田くんが身につけた、
自分をプロデュースして、自分に暗示をかけて、走り抜ける、というひとつの方法だったんだろうな、と。
まるで人が変わったかのような1年。
普通に考えてもここまでガラっと変わることは難しい、と思えるのに。
最初に町田くんのプログラムを生で見たのはGPFでした。
SPでは驚く結果になってしまったけれど、それをフリーで巻き返したその意志力は凄かったよ。
そして、全日本。
SPの構成表を見ていたら、冒頭のクワドが単独になっていて。
あれ?どうしたのかな?と思いながら、リンクに上がる彼を見ていた。
予想に反して、冒頭の4回転は見事なコンビネーションだった。
あとで直前に体調が万全でなかったことを知ったけど、それを受けた安全策だったのかもしれない。
でも、リンクで、綺麗に跳べたクワドにコンビネーションをつける、という選択をしたんだよね、きっと。
そうやって、一瞬たりとも気を抜かず、オリンピックの切符を切望し続けた。
プログラムも、そしてその心意気も、本当に素晴らしかったよ。
始めてゆづ以外の選手に花を投げよう、と思ったもん。
オリンピック出場、おめでとう。そして、ソチでもまっちーらしい演技で、新しいEXを披露できるポジションにつけるといいね。
大ちゃん
信じてもらえないかもしれないけど、私も、彼の演技を楽しみにしていました、このシーズン。2012年のゆづとの直接対決はやっぱり見どころがあったし、競い合うふたりは清々しいと思っていた。
けれど、彼を取り巻く環境や、一部の異常とも思えるファンの行動がそれを口にすることを阻む。
私がその姿勢に疑問を持ち始めたのは、去年のSPプログラムを変えた頃。
確かにゆづのSPほど、点数は出なかったかもしれない。
それは、ジャンプ構成(後半に跳ぶジャンプ)くらいの差しかなかったはず、少なくともGPFでは。
去年の彼は世代交代のあおりに自分を見失っていたのではないかな?と感じる迷走ぶりだった。
私、好きだったんだけどな、変える前のあのプログラム。
ベテランとして、もうちょっとどしっと構えて、ベテランらしく戦って欲しかった。
今シーズンに入って、そういう迷走ぶりはなくなっていて、ちょっと期待してた。
NHK杯のSPは本当に素晴らしいできだったと思う。
だからこそ、だからこそ、周りはもっとそのがんばりを穢さない選択をして欲しいと思ったんだと思う。
私は目の前で繰り広げられることに葛藤したんだよ、もったいない、と。
そんな雰囲気を打破するためにも、ソチの切符を手に入れるのに、全日本では台のりして欲しかった。
せっかく手にした素晴らしいプログラムが完成されていくその過程を見たかった。
怪我がそれを阻んだのか、調整不足だったのか、今は分からないけれど。
そして、恐れていた事態になった。
日本選手権では台のりせず、あらかじめ用意されていた選考基準でソチに行くことに。
きっと、本人はとても、複雑な気持ちでその切符を手にしたんだろうと思う。
一度は「手放したかもしれない」と覚悟して涙したくらいなのだから、その心中は想像できる。
これはきっと彼にとっても最後のオリンピック。
ぜひ、納得のいく演技をするため、コンディションを整えて、その日を迎えて欲しいと思う。
彼を取り巻くものは今でも好きになれないけど、それとこれとは別。
自分でも言っていた、切符を手にできなかった仲間のためにも、ソチで頑張って欲しい。
あと、女子と、ゆづについては、別にゆっくり書きます。
つづく。