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羽生結弦くんの応援ブログです。ここで記載されている内容はあくまでも私の個人的な意見であり、正当性を評価したものではありません。どのように受け取るかはそれぞれがご判断ください。

■パンドラの箱に残った希望 〜フィギュア世界選手権 in ヘルシンキ その1〜

現地観戦から、日本に帰ってくると、自分が見てきたものが現実だったのか?という感覚にいつも襲われる。
今回の観戦は私にとって4回目で、きっと最後になる世界選手権はフィンランドヘルシンキでの開催だった。

始めてワールドを見に行ったのは、2014年ソチオリンピックの後のさいたまアリーナ。
熱狂的なソチでパフォーマンスのあと、町田樹との死闘を演じた試合。

例の「ゆづ、愛してる」事件のあったSPで転倒して、3位。
それまで、SPで7点差以上を逆転して優勝した人はいない、と聞いていたけれど、そのシーズンほとんど成功しなかったクワドサルコウを着氷して、彼は金メダルを手に入れた。
グランプリファイナル、ソチオリンピック、ワールド。
3つのタイトルの王者になった。

あれから丸3年。
平昌オリンピックの枠とりにつながるワールドを迎えた。
この3年の間にフィギュアの世界は大きく様変わりした。
300点を誰が超えるか、と話題になった頃が懐かしいくらいに。
この基準点は2015年にまさに羽生結弦が驚くほどの完成度の高い演技で破った。
彼がGPFでとった330点という数字はそれが限界かもしれないと思わせる凄みがあった。

そして、2016シーズン、羽生結弦が名付けた「真・四回転時代」の到来。

彼はさらに構成をあげて、4Loを含むクワド4本をプログラムで滑ることを決断した。
自ら「難しい挑戦」と位置づけたその選択は彼を追いかけてくる若いスケータが選ばせたのだと私は思っている。

ボーヤンに目の前であの高さのあるクワドルッツを跳ばれた時、
ネイサンがクワドルッツとクワドフリップをフリーで跳んだと聞いた時、
しょーまが難なくクワドフリップを跳んだのを見た時、
平昌の表彰台を目指す基準がショートでクワド2本、フリーで4本以上になることが青写真のように見えた気がした。
2016年の戦いを通じて、そこに、ノーミスで、という条件が加わったように思う。
その前哨戦となるヘルシンキワールド。

昨年のワールドのタイトルはハビに10点以上も逆転され逃し、
インフルエンザで欠場した全日本でしょーまに全日本王者を明け渡し、
四大陸選手権で怒涛のリカバリ構成で追いつこうとしたネイサンにクワド5本と跳ばれて越された彼にとってはどうしても、どうしても、取りたいタイトルだったに違いないと思っていた。

でも、神様が用意していたシナリオのスタートは絶望的なものだった。
本人も、ファンも想定してない幕開けだった。