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羽生結弦くんの応援ブログです。ここで記載されている内容はあくまでも私の個人的な意見であり、正当性を評価したものではありません。どのように受け取るかはそれぞれがご判断ください。

■平昌の表彰台は新時代という扉の向こうにある 〜四大陸選手権FS男子 雑感 1〜

今日は絶対に勝ちたかった。
私自身も気合を入れて試合を見ると決めた。
いつも現地に行くときには必ずするゴールドのネイルを施して、画面の前に座った。
最初から、しょーま、ゆづ、ネイサンの戦いだということはもう覚悟していた。

しょーまが4Loに挑戦したことは今回、勝てなくてもそれは彼の未来への財産になったと思う。
しょーまがシニアに上がる年に私は母と話していたことを思い出した。
「これで3Aとクワドが跳さえしたら、しょーまは平昌のメダル候補なのに」と。
まさかその年、完全にそれを手に入れて、一気にシニアの階段を駆け上がるなんて想像ができなかった。
でも、日本男子はこれでしばらく大丈夫、とそう思った。
上海ワールドで失った1枠を、ゆづとしょーまで3枠に戻してきた。
オリンピックの枠とりをこの二人でできるということはとても心強い。
二人が頂点を争うようになることはもう想像できていた。
だけど、この日はしょーまの日ではなかったね。
まさかの3Aでの転倒。
コンボ券を残してのフィニッシュ。
仕上げはワールドに持ち越された。

そのあとに出てきたゆづ。
HOPE & LEGACYは私はまだその全貌が見えないプログラムだなと思っていた。
去年のSEIMEIほど、はっきりとその姿が見えない、わかりにくいプロだと。
しかも今年はフリーに4本のクワドを予定してて、まだ達成できていない。
もちろん怪我でスタートが遅かったこと、今年はワールドをピークにと考えれば出来上がってないのは、
仕方がないのだけれど。

ショートでしょーまとネイサンに遅れをとって3位。
どれほど悔しい気持ちでそのフリーを迎えたのだろう。
それは私にも想像はつかない。
スタート位置にたった彼からは迸る闘志が見える気がした。
今日は、勝つ、という強い気持ちのオーラがそこにはあった。

音楽がスタートして、冒頭の4Loを綺麗に決めて、ちょっと軸のずれた4Sをまとめて、3Fをいつもおり、助走なく決めた。
それでも本人も、そして見ている私たちもわかっていた。
勝負は後半冒頭の4S+3Tだと。

あれほど決まっていたそのジャンプがこの大会ではバランスが悪い。
その助走に入ったのをみて、スピードが足らないな、と思っていたら案の定、パンク。
ショートと同じミス。
ああ、今日も、彼の日じゃなかったか、と頭をよぎった。
そのあとのハーフループを見て、頭をひねる。
え?まさか、飛ぼうとした、4S?と思ったから。

もともとスピードなく入ったジャンプだったから結局そのあとには繋げず、予定の4本目のクワドトウが決まる。
あとは無難にアクセルを決めてくれたら、なんて考えていた自分をあとで恥じる。
その瞬間も彼は1点でも点を稼ぐためのリカバリーを必死で計算していたのだから。

最初の3A-2Tを3A-3Tに切り替えることは想定の範囲内
彼にとってはそれは難しいジャンプじゃない。
だけど、そのあとのジャンプの軌道を見て、私は息を飲んだ。
これはアクセルじゃない。
クワドトウを跳ぶ気だと、と言葉にした時にはすでに綺麗なスリーターンから彼は高く跳び上がっいた。
おまけの2Tをつけて。

久々にゆづの試合をみて、血が逆流するような、ゾクゾクっとした感覚に襲われる。
私にはその時、最後のジャンプが想像ついていたから。
彼は何よりも得意にしているトリプルアクセルを跳ぶに違いないと。

動悸が激しくなり、息が止まりそうな気分だった。

その瞬間がやってきた時、彼はフリープログラムの最後に跳んだとは思えないクオリティで3Aを美しく着氷した。

づづく。