【雑感】君が手に入れたものと、失したもの。 その2
彼の数々の勝利の大きな代償は、「自由」そのものな気がしている。
それは時間の自由もあるだろうし、好きなことをお話する自由だったり、
心の自由だったり、自分の思ったときに、思ったことを普通にできる自由が
彼からどんどん奪われていくな、、と思うのです。
ファンや一般の方のたくさんの目とわがままな思いなどが、彼があたりまえに生活する邪魔をするという構図になっています。
まだ、トロントを拠点にしているだけましなのかもしれないけれど、
ショーに出てるとき、試合に出てるときは様々な方法で追いかけ回される。
それがプライベートな時間であるにもかかわらず。
友達と外を出歩くなんてままならないだろうな、と想像はつく。
試合前という特殊な状況でもそれを判断できないファンに囲まれる。
海外観戦では特に旅の恥はかきすてという人も見かけることも増えた。
母数が増えたのだから、仕方ない、と思うけれど、ね、あまりにそれはどうなのだろうと思う行動が散見されます。
ルールを守らない人、応援している選手の心情や状況に思いを馳せることができない人がいます。
なぜ、そういうことができるのだろう、ね。
私たちが応援したいと渇望している選手はそういうことを嫌がる人じゃないのかな、と思うのに。
そんな風に自分の欲望を満たすために行動するファンと呼ばれる人たちですら、彼の「自由」を狭めています。
この「自由」を制限されることって人間として一番、苦しく、つらいことじゃないのかな、と私は思っています。
自分がそれを失うことを想像すれば、たぶん、ちょっとは想像つくはず。
とても窮屈な生活にも思える。
彼がアイドルだったり、プロアスリートとして、見られることを選択しているのなら、仕方のないこと。
でも彼は大学生で、アマチュアアスリートでしかないのにそれを求められている。
それでいいの?心配した時期もあったけども、彼はそういうものも含めて覚悟して、
今の場所に立ってるじゃないかな?と感じます。
スーパースターになったらどうなるか、きっとわかっていたと思う。
被災者代表のように扱われることで何が起こるか、想像できていたと思う。
いろんなことに見られることも織り込み済みで行動してるし、どこかで自分の言葉がどうやって受け取られるかを計算してるところもあるし、反応を見て、次の言葉を選んでいるところもあるかな、と見受けられます。
それは彼の強さであり、優しさじゃないかな。
自分を後押ししてくれる人たちを大事にしたいという気持ちなのかもしれない。
そこまで気を遣わせたくなんかないよね、本当は。
しばらくブログを書けなかった理由の一つには書き始めたら、上記のようなことを一つ一つ糾弾してしまいそうになるから、というのもありました。
納得の行かない行動に対して意見を言うことで不毛な争いになることを避けたいという気持ちもあったように思います。
ファンどうしでぶつかりたくないもの、基本的には。
私にとっては、テレビや週刊誌、雑誌などで酷く扱われることよりも、
「ファン」だと明言する人の、彼に対するあり得ない態度の方が納得しにくいし、
感情的に受け入れがいことなんだな、と感じるシーズンになりました。
彼がスケートリンク降りるまで私はそんな自分と葛藤しながら応援し続けます。
納得のいかないことには疑問を投げかけながら。
ほんの少しでも彼から何かを奪うことのないように。
キラキラと輝く時間をちょっとだけ共有させてもらうために。
「ファン」ってなんだろうね?
「応援」ってなんだろうね?
を考え続けながら。