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羽生結弦くんの応援ブログです。ここで記載されている内容はあくまでも私の個人的な意見であり、正当性を評価したものではありません。どのように受け取るかはそれぞれがご判断ください。

全日本雑感【町田樹という奇跡】

いろんな驚きがあった全日本だったけども、やっぱり一番の驚きはまっちーだった。
ブログにも何度も書いた通り、ゆづを追いかけて行く中で現地でパフォーマンスを見るたびにまっちーの演技が好きになった。
特に去年のショートプログラムの「エデンの東」は何度も何度も見たくなるプログラムだった。
世界選手権のとき、あのまっちーに負けるのなら仕方がないと素直に思えた。
2人の得点の差はジャンプ構成の差でしかなかったと思う。
その後のインタビューでのやり取りを見て、今年もそういうワクワクした試合が見れるのだと期待してた。

だけど、結果はみなさんも知っての通り。

GPFの時から少し様子が違っている、と感じていた。
負けていることがちっとも悔しそうじゃないんだよね、表情を見ても。
あの時はいろいろと重なってたからかな、とも思っていた。

素晴らしいできただったショートのとき、なぜ、彼の目が潤んでいるのか分からなかった。

彼のポテンシャルなら、あのくらいは普通に出来る結果だし、いい演技だったし。
この時も、もう、いろんな覚悟をしてたんじゃないのかな、と終わった後だから、感じる。

最後の「第九」
そう思って、見ればよかった、と何度も思った。
すべてをその場でつぶさに見つめたつもりだったけれど、たぶん、覚悟のないまま見ていた。
そして、ふと感じていた。
まっちーが勝つことを目的としてこの第九を滑っていないのでは、ということ。
跳べなかったコンビネーションをリカバリすることなく演技をし終えた彼を見て、違和感しかなかった。
もちろん作品の完成を常に口にしていたけれど、それは勝つことも含めてだと思っていたから。

「第九」は未完のまま終わったプログラムになった。
それでも、ジャンプ以外では彼が伝えたかったことは十分に形になっていたような気もする。
欲張りな私たちはジャンプも含めたこの作品の完成を見てみたかった、と今でも思うけれど。
録画で演技を何度も見返すくらい、ジャンプだけではないプログラムの質の高さがそこにはあった。

いつから彼がこの結末を用意していたのか私にも分からない。
でも、去年の白夜行のことを考えれば、彼が第九を春にやろうと思っていなかったのかもしれない、とそういう考え方もある。
きっと、私はそう思いたくなかった。
もっと彼の舞台を見ているような演技を見続けたかったから。

ギリギリのところで争う羽生結弦町田樹を見たかった。
もう、かなわないことだけれども。


MOIの日は最前列。
とてもいい席で、製氷後の綺麗な氷にまっちーのスケーティングの綺麗な軌跡だけがあった。
すべての動きを見逃すまいと、一生懸命にその姿を見守った。
涙は自然にこぼれた。
その涙に自分が驚いていた。
そして、この姿がもう見れなくなる、ということが信じられなかった。

 

ある意味、私は贅沢だったと思う。
町田樹という選手の一番、いい時期をしっかりと現地も含めてみることが出来た。
そして、最後の瞬間をこうして目に焼き付けることが出来た。

フィギュアスケート界において彼の存在は稀有な、そして、奇跡的な存在だったと思う。
似た者のない「町田樹」という個性が大きな輝きを放つ存在だった。

ありがとう、まっちー。
素敵なプログラムを演じてくれて。

これからの新しい道で満足のいく結果がだせるよう心から祈っています。



そんな涙ぐんだ顔をテレビに抜かれたことも思い出として覚えておきます。
・・・もっとカワイイ若い子を抜いてくれたらよかったのに・・・。