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羽生結弦くんの応援ブログです。ここで記載されている内容はあくまでも私の個人的な意見であり、正当性を評価したものではありません。どのように受け取るかはそれぞれがご判断ください。

【3.11雑感】少年の選択 - あなたは羽生結弦になれますか?

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忘れもしない2011年3月11日。
あの日に起こったことは日本人の心にずっしりと重いものを残している。

お台場で働いていた私もこの世のものとは思えない風景を数々と見た。
波打つ高速道路、大きく揺れるビル、遠くに見える火災、何度も何度も、繰り返される余震。
そして歩いて渡ったレインボーブリッチ、恐ろしいほど遠くに見える東京の風景は変わらなかった。そして、映像に映し出された東北の姿はもう想像することすら超えた世界だった。

何が起こってしまったのかを自分が受け入れるまでものすごく長い長い時間がかかった。

普通に手に入れるものが、東京ですら出来ない現実。
コンビニのまっさらになった棚。時間通りに動かない電車。手に入らないガソリン。
そんな光景が何日も続いた。

被災地で過ごした人々はそんな私たちよりもはるかに苦しい思いをしたに違いない。
地震で命を失った人々、津波に襲われた人、原発で故郷を失った人。
その痛みや苦しみを想像することはできても、あくまで想像でしかない。
傷ついた心を癒やすには長い長い時間がかかる。

私はこのとき、まだ羽生結弦という存在を知らなかった。
彼の存在を知ったのは翌年の3月のことだった。

それから彼をつぶさに追いかけてきた。
快進撃をワクワク、ドキドキしながら、時には必要以上に心配しながら見てきた。
だから、彼が何のために金メダルを取りたかったのか、痛いほど、分かる。
自分の立ち位置に葛藤しながらも、故郷の大事な人達、自分を支えてくれる人のために、
自分にとって居心地のいい場所から飛び出し、そして、戦い続け、金メダルを手にしたのだ。

反面、有名になればなるほど、アンチ活動も大きくなっている。
未成年にぶつけられる言葉とは思えないほど、ひどい言葉の数々が並ぶ、その光景は異様だ。
本人の耳にも多少は届いているのだろう。
さらにその異常さはメダリストになってから加速したように思える。

ふと、考える。
アンチ活動をしているひとに聞きたい。
あなたは「羽生結弦」にそれを言えるほど、価値のある人間なのか、と。

どんな些細な事でもいい、人に負けないというものを持っているのだろうか?
日本で一番だと、誇れるものを持っているのだろうか?
世界で戦える武器を手にしているのだろうか?

凡人が努力の末に栄光を手にしたアスリートにあれほどの暴言をはく。
その姿の醜さを考えたことはないのだろうか?

あなたがもし羽生結弦と同じ運命を背負って生まれてきたとして、それを全うできる自信はあるのだろうか?

少なくとも私には無理だ。
そんなストイックな選択ができる自信はない。
あれほどの期待を背負い、それに応えることができるとも思えない。

だから、彼のパフォーマンスの素晴らしさとは別の次元で彼を尊敬している。
その選択がときどき背負いすぎではないのかと心配になるけれど、彼がそれを選ぶのなら、私はその選択に対してできる支援をしたいと切に願っている。

彼が「被災地」を支援したいと、切に願うのなら、彼がその選択をし続けるために、
私ができることを探し続けようと思う。

あれから3年。
まだ、被災地は被災地のまま。
復興は進んでいない。
もしかしたらどれほど長い時間をかけても元通りに戻ることはないかもしれない。
その悲劇に向き合った人たちが少しでも前に進めることを祈りたい。