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Stay Gold!

羽生結弦くんの応援ブログです。ここで記載されている内容はあくまでも私の個人的な意見であり、正当性を評価したものではありません。どのように受け取るかはそれぞれがご判断ください。

【オリンピック雑感】男子FP-未完のロミオとジュリエット

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SPからの流れで、金メダルはパトリックという空気はガラッと変わっていた。
かつてのオリンピアンたちが金メダルは「ユヅル」だ、と口にしていた。
本人も意識はしないと言いながら、頭の中に「金メダル」という物体がちらついたに違いない。

あの日の6分間練習を見て、私は大遭難したスケートアメリカのフリーを思い出していた。
まさか、そんなことがこの舞台で起こるとは想像したくなかった。

冒頭のサルコウは決まらなかったけれど、クワドトウをバランスを崩しながらも決めてから、落ち着くのだろうと思っていた。
もともとサルコウの失敗は想定の範囲内
ところが、あろうことかフリップで、多分、私がゆづの試合を見はじめてから、初めてフリップでステップアウト。
転倒と取られる形での失敗。

ああ、これで金メダルはなくなったな、と正直、私は感じていた。
これから後半でいくら巻き返しても、チャンに追いつかれる、な、と。
もちろん彼が後半で巻き返そうとしているのはよくわかった。
でも、その日のロミオはゆづらしくないロミオだった。
ロンドンの世界選手権と同じくらい危なっかしいジャンプを跳んでいた。

あまりにもたくさんのゆづの試合を見続けたせいで、もうジャンプを跳ぶ姿勢を見て、その成功も失敗も想像できる。
ああ、このトリプルアクセルもギリギリ、ハーフループは・・・気合で飛んだけど、3つ目が入ってない。
そうやって小さなミスを重ねることが信じられなかった。
ドヤ顔でSPを同じ氷上で滑ったスケーターとは思えない演技だった。

ああ、やっぱり、「オリンピックの魔物」はいたんだと感じていた。
ただ、私は意外とさっぱりしていた。
もちろん彼の金メダルを見たいとずっと、ずっと願い続けていた。
ここで取ることがでたらいいと思っていたけれど、「銀メダル」でもいい、そう感じていた。
だけど、たぶん彼は諦めていなかった。
金メダルがその手からこぼれ落ちるのを感じながら、最後の最後まで滑りきった。
最後のスピンに入る前に、叫んでいた姿を見て、あるものをすべて出しきることを考えてたのだろうと思う。

フィニッシュポーズから立ち上がった彼の顔には満足感は何一つなかった。

これがソチでの羽生結弦の挑戦だったのか、私は納得していた。
ここでクワドサルコウを決めて、満足できる演技で終わって欲しいと願っていた。
でもどこかでもし、それを彼が成し遂げた場合、これからのシーズンに彼が何を目標に進んでいくのかということが想像できなかった。
だから、「忘れ物」を残したことで、ファンとしたはちょっとほっとしていた。

まさか、パトリックがあんなミスを重ねるなんて想像もできなかった。

テレビでも何度も流れたゆづの「Oh my God!」のリアクションを見れば、彼がどれほど、それに驚いていたのか分かる。
今日は「銀メダル」だと覚悟していたはずだから。

この結果を見て、オーサー陣営の戦略の凄さをさらに感じていた。
もちろん本人の努力がそこにあっての結果ではあるけれど、本当に、彼に金メダルを取らせるために隙のない戦略を実行してきた結果だと納得できた。
残念ながらこの「戦略」を立てて、「戦術」に生かすという考え方が日本人は苦手なほうだと思う。
とかく、精神論で結果に結びつけようとする傾向がある。
こういったギリギリの戦いの中で勝ちきるためには綿密な戦略が大事。
相手にどういうプレッシャーを与えていくか、ピーキングをどうやって合わせていくのか、メディアとどう対応していくのか、計算づくだったと思う。
もちろん、最後のフリーでこの結果になるとは思っていなかったんだろうとは思うけれど。

賛否両論のあったカナダでオーサーの元でオリンピックを目指すこと。
もちろん本人にも葛藤もあったのだろうけれど。
選択としては正しかったんだろうね。

おめでとう、ゆづ。
どんなできばえであれ、このソチで一番、得点を稼げたのは君だったんだよ。
だから、その手に金メダルがある。

本人も言っていたように、これは始まり。
羽生結弦」伝説の。

そして、未完の「ロミオとジュリエット」。
世界選手権ではその完成を見せて欲しい。
クワドサルコウが決まったその演技をみたい。