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羽生結弦くんの応援ブログです。ここで記載されている内容はあくまでも私の個人的な意見であり、正当性を評価したものではありません。どのように受け取るかはそれぞれがご判断ください。

【全日本フィギュア】振り返り ~SP「パリの散歩道」 王者の風格~

 

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言葉を整理するのに、とてつもない時間がかかった。
それほど、壮絶な全日本フィギュアだった。
やっと熱が冷めてきて、こうして、私は言葉をようやく綴ることができている。

全日本選手権に向けて、思いをブログに書こうと思っていた。
言葉はまったくまとまらなくて、その理由さえ分からなかった。
すべてが終わった今、理由がようやく分かる。
私には想像ができなかった。
ゆづが次にどんな世界を見せてくれるかということが。

そのくらいGPFでの「パリの散歩道」は完成形に近かった。
ああ、これが彼やバトルが作り出したかった世界だったのか、とどっぷり浸っていた。

あのパトリック・チャンですら、毎回、ノーミスで演技をすることは難しい。
エリック杯での素晴らしい演技の後、福岡ではSPでミスが出た。

エリック杯、GPFとノーミスを繰り返してきたゆづが全日本で何を見せてくれるのか、
自分では、頑張ってもイメージ出来なかったんだよね。
しかもこれはただの試合ではなく、ソチオリンピック行きを決める、そんな大会。
もちろんGPFの優勝でゆづの選出のほぼ確定と言われたけど、
ゆづ自身がしっかり勝ち切って切符を手にしたいと感じていたと思う。

会場の空気はオリンピックシーズン独特なのか、ピリッとした緊張感に覆われていた。
ここに照準を合わせた、様々な思いが詰まっていたのだろう。

この日、最初に私の心を動かしたのはまっちーだった。
GPFでのショートの失敗を忘れさせてくれるような素晴らしい滑り。
私はこのショートプログラムが好きだ。
演技にはその人そのものが出る。
まっちーが去年の失速から、自分を奮い立たせて、駆け抜けてきた思いが凝縮されている気がした。どんなにか、どんなにか、ソチの切符が欲しいと切望しているのか、それが伝わってくる気すらした。
今回のまっちーは大丈夫だ、きっと、ソチの切符を手に入れる、そう思えた。
こういうわかりやすい闘志が私は好きだ。
きっと、彼はフリーもちゃんとまとめてくる。
だから、明日はまっちーのために花を買ってこよう、そう思っていた。

そして、ゆづ。

君は違う次元で滑っているようだった。
目の前で繰り広げられているその世界がまるで現実ではないのか、と思えるほどだった。
緊張していたとあとでコメントしていたけれど、そんな風には見えなかった。
確かにGPFに比べると、全体の疾走感が弱いイメージはあったけど、
そこでできることをきちんとやり切る、という気迫と、ここで負ける気はないという王者の風格がそこにはあった。
氷の上の世界を完全に支配していた。

自分がやることをやりきれば誰にも負けない、そういう自信が漂ってたね。
そう思えること、その意思の力でやり切ってしまうことろが私がゆづに惹かれてしまうところなんだろうな、と思う。

そう、心配していた魔物に心を奪われなかった、その結果だったんだと思うよ。

結果はSPの点数とは思えない100点超え。
もちろんこのプログラムを完璧にやりきったら、そうなるだろことは想像していたけれど、まさか、本当にそのレベルにたどり着くとは。

振り返ると、2011年、ここで3枚めの切符をかろうじで掴みきった少年は、たった2年で、ここまで上り詰めた。
もう此処から先は誰も見たことのない、風景のはず。
一体、キミはどこまで上り詰めるつもりなんだ。

ちなみにこの年、3枠目を争っていたのはまっちー。
2人はまったく違う2年間を過ごしてきたけれど、同じ切符を手にしようとするものとして存在していた。
感慨深げだね。

オリンピックを目指す選手にとって最大の難関、全日本フィギュア。
ゆづは自分の描いているものに近づこうとしている、それをはっきりと意識した戦いぶりに脱帽だった。