【雑感】ゴールはまだまだ、先−おそろしく長文
世界選手権が終わった。
まるで抜け殻のような、私。
去年は期待して見ていなかったから、あまり気をもむことはなかったけど、
今年はあまりに「ゆづ」を追いかけすぎて、始まる前からテンションがおかしかった。
なんとしてもいい成績をとってほしいと祈っていたのでしょうね。
SPで9位という結果がでて、ある意味、すっきりしたのかもしれない、と思う。
後は、自分のため、そして日本のフィギュア男子のために、
やれることをやるしか、選択肢はなかったから。
ただのファンとして、どんな結果になってもゆづが選択したことを応援し続けようと決めていたから、とても静かな気持ちでその瞬間を迎えることができた。
PCの前で、ライブストリーミングに噛り付いて、その瞬間を迎えた。
ポジションについた「ゆづ」の顔をみて、今日は大丈夫だと、なんとなく、そう思えた。
曲は「ノートルダム・ド・パリ」。
今年、ゆづを悩ませ続けてきたフリーの曲。
ジャンプを着氷するたびに、涙があふれて止まらなかった。
いつもより、バランスの悪い4Tでも、ちゃんと回りきって着氷。
ギャンブルとオーサーも言っていた4Sは回転不足で、お手つき。
でも、4Sを跳ぶ決断をしたゆづ。
相変わらず、すごい、根性。
構成を変えるという選択は彼にはまったくなかったんだろうね。
その選択をよしとしない人もいるだろう。
私はそれができるからこそ、ゆづはこの短期間でトップへの道を駆け上がってきたような気がしていた。
曲が進むにつれて、ゆづやオーサーがこのフリーでやりたかったこと、
が見ててきて、なるほど、と思っていた。
理数系のゆづのギャンブルは、たぶん、「ジャンプ」で技術点を稼ぐことにあったんだと。
もちろん、つなぎも、スピンも、ステップも大事。
でもそれをすべてこなす力が残っていないのだとしたら、
1点でも多く稼いで、3枠に貢献するためには何をしたらいいのか?
それをきちんと考えた戦略だったんじゃないかと感じていた。
鉄板3A。
3A+3Tと、3A+2Tで、26.92。
ゆづだから稼げる3A。
前に何かのインタビューで言ってたね。
ヘロヘロになっても3Aとか飛べたらかっこいいって。
まさにそんな満身創痍のなか最後まで滑りきって、TES1位。
ゆづが氷に突っ伏せたシーンはもう、直視できなかった。
よくやった。本当によくやったよ、ゆづ。
何度も、そう、言葉にしていた。
なんて18歳なんだ、この子は。
もちろん、インフルエンザにかかってしまったこと、
健康管理に問題があったと、いわれても仕方ない。
その後、焦って練習して、怪我。
若さを責められても、確かに仕方ない。
だけど、逆境の中で、冷静に戦略を頭に叩き込み、まさに、点数をかき集めて、
挑んだ挑戦に、見事に勝った。
ギャンブルと言ったって、勝算がないものに挑戦したわけじゃない。
ずっと、ゆづが得意にしてきたものをぎゅっと絞り出して賭けに勝った。
その冷静さは今年のゆづが身につけた一つの新しいスキルだったのかもしれないね。
もっと、もっと、書きたいことはあるのだけど、もう、その強さに感服。
来年はソチオリンピック。
そこにたどり着くための一つの試練だったのかもしれない。
大丈夫、ちゃんと道はつながっている。