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羽生結弦くんの応援ブログです。ここで記載されている内容はあくまでも私の個人的な意見であり、正当性を評価したものではありません。どのように受け取るかはそれぞれがご判断ください。

【NHK杯】マジカルモーメントがそこにあった 究極のバラード1番(SP)-1

NHK杯を前に衝撃的なニュースを耳にする。
彼がショートの構成をクワド2本にしたというニュースを聞いて、私は笑いが止まらなくなった。
まさかとは思ったけど、あのスケートカナダでの悲劇を受けて構成を上げてくるとは。

そのニュースを聞いて、私の脳裏に浮かんだのはスケートカナダでのEXの練習の風景。
何度も何度もイーグルからの4Tや4S、そしてクワドからのコンボを跳んでいた。
もしかして、エキシでやるのかな?と思っていたのだけれど、そういう気配もなく。
ああ、あれは、準備だったのか、と何となく自分の中で腑に落ちた。

まさに羽生結弦らしい。

スケートカナダのパトリックチャンの演技のに負けた結果、ファンの間でも、ショートでクワドを後半に跳ぶ理由はないんじゃないかとか、表現力でカバーできるからクワドへの挑戦は必要ないんじゃないかという意見も見受けられた。
それは今年、勝つという意味では正しい戦略なのかもしれない。

でも、私はゆづがやっていることが無謀だとはみじんも思っていなかった。

Twitterにも書いたけども、これは彼が平昌で金メダルを取るための伏線。
本来だったら、この挑戦は去年、完成しているはずだった。
そして彼は今年は次の挑戦をする予定だったのだと思う。
そう、SPクワド2本というチャレンジ。
後半クワドとSPクワド2本という課題を一気に乗り越える選択なのか、とふと思った。
(実際にはクワドは2本とも前半でしたが)

パトリックが構成を落として戦ってきたのは、それでも勝てる、と思ったからじゃないと私は思っている。
休養シーズンのあと、1戦目ではこの構成しか選択できなかったのだろうと思っていた。
もちろんそれを完璧にこなしたパトリックには驚きしかなかったけど、このままで平昌まで勝ち続けられるか、と聞かれたら、私はNOとしか答えられない。

それを体現しているのが、中国のボーヤン・ジンだ。
彼はフィギュアスケートの未来を背負ったスケーターの一人だと思う。
最初に彼を生で見たとき、クワドを3本跳ぶことには驚いたけども、なんだか、まだまだ、フィギュアスケートという感じではなかったのを覚えている。
でも、今年は違う。
ジュニアを卒業して、彼なりに新しい武器を手に入れ始めている。
そう、今年の彼は2011年の羽生結弦だと思ってもおかしくない。
彼が平昌までの時間にいまのジャンプ技術のほかの要素を磨いて恐ろしい勢いで追いかけてくるのだ。
中国杯で軽々と決めたクワドルッツを含む彼のプログラムは関係者を驚愕させるのに十分なクオリティだったと思う。


スケートカナダを経て、そしてグランプリシリーズの他の選手の動向を見て、彼がSPクワド2本の選択をしたのは、平昌まで誰にも負けたくないという思いが詰まったものだと私は感じていた。
さらに、公式練習でも調子がいいと聞いて、これが博打ではなく彼なりの勝算があっての選択だったんだろうと思っていた。


男子は全体的にできのいいSPだったと思う。
個人的には刑事くんのクワドが決まったこと、無良くんのプログラムがまとまったこと、そして、ボーヤンがほぼノーミスで滑りきったことが印象に残っていた。
ボーヤンの点数をみてゆづの闘志にさらに火がついたことは後で知る。

6分間練習の様子を見ても、今日はきっとやってくれる、という確信が私の中にはあった。



つづく。

【SC番外編】クワド1本構成でもパトリックは勝ち続けられるのか?

Twitterでつぶやいたことをまとめておきます。

 

これから書くことは私なりの分析で私なりの意見です。
もちろん反論も異論もあるでしょう。

言葉に残そうと思った理由は、自分が思ったことや感じたことを書くことで、
凸られるのが嫌で言えなくなってしまったたくさんの人達を見てきたから。
語気の強い一部の意見だけが、その界隈のメインストリームだと思われるのも何か違うと思っているから。
黙ってれば叩かれないこともわかってるけどねw。

今年、パトリックがクワド1本で勝ちきれるか?と聞かれたら、答えは決まっている。
ノーミスで、すべてのジャンプとスピンでGOEを稼ぐことができる出来栄えだったらか、
他の選手の自爆待ちならね、というシンプルな回答になるかな。

今はまだシーズン前半。
たとえ休んでいたとしても、何年も何年も同じジャンプ構成で新しいジャンプにトライせず、自分のできることをやるのであれば、シーズン前半でもまとめることはできるでしょう。
彼はバンクーバーの後、クワドを入れた後は、それほどジャンプ構成をあげていません。
ソチシーズンGPFでゆづに負けた後、構成を上げないとオリンピックで勝てないんじゃという論調の中でも上げる気配はありませんでした。
結果は知っての通り。

これから彼が構成を上げる(少なくとも今シーズン)ことはないのかもしれません。

振り返ってゆづ。
今年はSPで後半4回転、FSはクワド3本、1本は後半へ挑戦します。
プログラムを見てわかったと思うけれど、さらにジャンプへの助走を短くしてGOEを稼ぐ戦略です。
もしかしたらモノにならないかもしれない、とは私は思ってません。
オータム、そしてスケカナを見て、彼はこれを実行するために何をすればいいのかを試合を通じて課題として捉えているでしょう。
昨年はちょっと例外として、過去の例を見てもそのシーズンの課題を盛り込んだプログラムを作って、それをこなすことで成長してきた選手です。
今年がここが最高点ではない、と思っています。

パトリックが得意とする得点の仕方はGOEを積み上げる、PCSで他を引き離すという戦略です。
でも、どちらも満点が決まっていてそれ以上の積み上げは出来ないのです。
だけど、TESのBVは違う。
確かにステップやスピンでは上位選手は差がつきにくいけれど、ジャンプは違う。
ゆづがクワド3本、アクセル2本を跳ぶことで、パトリックに大きい差をつけることが出来ます。
そしてパトリックはその点数の差分をGOE/PCSで稼がなければいけないのです。

今回はそれが出来た大会でした。
SPではどっちも悪かったので、ちょっと、置いておいて。

どうしても、ゆづとパトリックの対決に焦点はあたってしまうけれど、パトリックの敵はゆづだけではありません。(ゆづにとっても同じですけどね)。

そして、ゆづはソチが終わってから、そのシーズンをどう勝つかではなく、平昌で勝つために自分は何をして行ったらいいか、と常に考えている気がするのです。
シニアの選手はもちろんですが、ジュニアを見ていても素晴らしい選手が沢山います。
さらに、彼らは知っています。

PCSが高い選手に勝つためには、TESのBVで、願わくばGOEを重ねて勝てばいいと。
それはソチで羽生結弦が実践したこと。
勝ちたいと思う若い才能はそこに力を入れてくるでしょう。
それはすでに書いたので割愛しますが。

私はパトリックがこのまま仮に4Tを一本増やしても、平昌まで同じ構成で勝ちきれるとは思っていません。
パトリックが平昌で勝ちたいと思うのなら、もっと違う戦略が必要だと思っています。
そして、どこかでそんな闘いは見たくないと思っている自分もいます。
全く進化のない4年を過ごして、そのレベルで金メダルを取れる競技だなんて思いたくないのです。(まったく個人的な意見ですが)


驚いたのはFSでクワド3本、トリプルアクセル2本を試合で跳んだのは、ゲーブル以来とのこと。
ゲーブルが2008年に跳んだ、構成を調べたら、3Lz、4S-3T、3A-2T、4T、3A、4S、3F、3Loとのこと。
コンボが足らないけれど、今でも十分勝てる構成ですよね。
あれから、もう7年も経っているのに。
それは皆さんも知っての通り、ルールが一度、進化を止めさせる方向に進んだから。
4回転を跳ぶよりも、3回転でまとめたほうが勝ちやすくなったから。

それは退化だと思います。
確かにジャンプ以外のところが進化したという側面もあるのでしょうが、
なぜ、ジャンプは進化しなくていいと思われたのでしょうか?
理由はわからないけど、フィギュアがオリンピック競技であり続けるためには、
スポーツとして位置づけられるためには、私はジャンプの進化は必要だと思っています。

そして、羽生結弦という選手はそれを自分で体現したいと思っているのでは、と感じています。
彼はフィギュアスケートの未来を見たいんだと思うし、それを見せてくれる人だと思うから、応援に力が入るのかもしれません。

もちろん限界はあるとは思いますが、進化しないスポーツなんて、面白くないよ。

そんな風につまらなくなって欲しくないと思うから、パトリックにもぜひ進化して欲しいし、予定調和でなく、私たちをびっくりさせて欲しいと思う。

次のゆづとの決戦では同じ戦略では勝てないよ。
さて、どう戦うのかな?

【SC2015】男子FS 荒ぶる「SEIMEI」

スケカナの朝は早い。
公式練習を見てから、試合に臨むとちょっと安心できる。
練習の状態でこの日の結果をある程度、想定できるから。
なので、練習からリンクにずっといる羽目になる。

この日のゆづは練習も一番滑走。
リンクインした時から殺気みたいなものを纏っていて、ピリピリしてて、闘志が全面に出ていることが分かる空気感だった。
今日はなんとしても結果を残す、という決意が見て取れた。

練習の一番滑走だとあまり体が温まらないうちに、自分の曲かけがやってくる。
それを分かっているからか、次から次へとスピードを出して、ジャンプの確認をし、間に合わせようとしてるように見えた。
曲かけ練習にはそれでもアクセルもクワドも入れて確認しようとしてた。
今回はクワドトウが綺麗に決まらないことが多いと感じていた。

ゆづのクワドはホントに軸が細くて綺麗。
そして流れるように着氷する。
軽くて、美しくて、ジャンプそのものが別次元。

練習の中でも、試合でも、今回はクワドに入る軌道を何度も何度も確認をしているように見えた。このリンクはホッケーリンクで国際大会のリンクとしての規格より少し小さい。
それは彼みたいにジャンプをも綺麗に音ハメしてプログラムを演じる選手にとって影響のあることなんじゃないかな、と思う。
本来の助走から軌道を変えて、音に合わせるように速度を落とすのか、距離を稼ぐのか調整して、そしてクワドを跳ぶ。
練習の中でも壁に近づきすぎたりしている様子が何度も見て取れた。

もちろん他の選手との条件は同じだけれど、スピードが出る選手の方がやはり調整が必要になってくるんじゃないか、と見て感じていた。

2012年の全日本あたりから試合観戦をスタートして、ゆづが朝の練習の時にはあまり調子が良くないことを知ってる。
だから、この時もあまり完璧という感じではなかったけれど、まあ、こんなものかな、とも思っていた。

ちょっと気になったのはクールダウンしながら他の選手を見てたり、最後はクワドサルコウを跳ぶあたりの氷をまじまじと見つめて何か、ブツブツと言ってたこと。
ナーバスになっているのかな、と感じていた。

今日はどんな結果が待っていようと、もう、自分を信じてやるしかない。
信じられる自分をどう持ってくるか、それが今日の彼のミッション。

女子のフリーを見ながら、リーザが底力を発揮して、2位まで順位を上げたのを見て、つぎはゆづの番だ、とそう思っていた。

試合の時はいつもそうなんだけど、ゆづの出番が近づいてくると、胃が痛くなって、心拍数が上がる。そして、息苦しくなって、体温ががっと、上がる感じがする。(絶対、体に悪いw)

彼の写真を撮れる瞬間ってたいてい立ち止まっている時だから、6練の前にファインダーを覗いて、
ものすごいオーラと、リンクを凝視していた瞳を見て、が何か凄いことが起こりそうな予感をさせていた。
荒ぶる「SEIMEI」がそこにいた。

練習をギリギリまで時間を使って、ジャンプを確認。
やっぱり、クワドは調子がよいとは言えない感じ。
これだけジャンプの前に助走がないというのはホントにヒヤヒヤ。
これをやり切ると決めているのだから、私たちは見守るしかないのだけれど。

スタートポジションに立ってポーズを取った彼は音と共にリンクに滑りだした。
心配だった冒頭のクワドサルコウが綺麗に入って、私も会場もボルテージが上がる。
私の後ろにいたカナダ人はかれのジャンプが決まる度に、ウォー!と叫んでいた。
2つ目のクワドトウが決まった時、ああ、これで少なくとも台に乗れるところまではなんとかなる!とそう思っていた。
まったく助走のないところからのフリップ。
前半を滑りきって、あのレベルの取れなかったステップへ。
もちろんいろんな点で改良してきたのだろう。
あとでプロトコルを見るとちょっとだけ改善していた。

後半にはいって、鬼門のクワドトウ。
抜けてしまうことが一番、怖かった。
その後のジャンプを変更しなきゃいけなくなるから。

お手つきだったけど、セカンドジャンプまでなんとかつけて、クワド3本の着氷という目標をクリアしたのだけれど、いつも彼を助けてくれていた3Aのコンボでセカンドが1Tになってしまう。
後半のジャンプは全体的に軸のバランスが悪かったように思う。
それでも、今日はやり切るんだという気迫がどう見ても体勢がくずれた中からも3連コンボを決めさせたのだろう。安定のループ、最後のルッツで転倒。
プロトコルでは刺さってなかったけど、あのルッツはたぶん、回転不足。

つかさ、なんなのその助走のなさは。
フリップも、ループも、ルッツもほとんど助走のないところからいきなりジャンプを跳ぶ。
こんなことができるのはたぶん、彼だけだ。
そして、これがたぶんクリケットの戦略。
いまできる最大限を組み込んだプログラム。

これを実行することができたら200点を超えるのは間違いないと思える攻めのプログラムになっていた。

フィニッシュポーズの後、歌舞伎などで見えを切るみたいに、頭をブンっと振って何かを振りきっていた彼。
氷に住んでいた自分を追い詰める悪霊を振り切った瞬間だったのかもしれないね。
今日の荒ぶり方はあのニースロミオを彷彿させるそれだった。
最後は「SEIMEI」ではなく、素の「YUZURU」になっていた気がした。
それも爆発力を出すために必要だったのかもしれないね。

まずはやり切って、後は他の選手の結果を待つばかり。

パトリックがノーミスで滑りきったとき、ああ、これはパトリックが持って行ったな、と思っていた。
たとえ、クワドが1本だろうが、コンビネーションジャンプの2本目がほとんどダブルだろうが、ジャンプ前の助走が長かろうが、つなぎが薄かろうが、ノーミスで、ここはカナダ。

ナムくんにも、神演技のダイスにも渋いGOEとPCS。
意図を感じるな、盲目的に信じろと言われてもね、無理です、これは。

でも、あの状態から、ゆづが2位になれて、グランプリファイナルへの可能性をちゃんと残して、この大会を終われたこと。
そしてたくさんの課題を見つけたことは彼にとってはよかったことなんだろうな、と思う。

表彰式でもそんな晴れ晴れとした表情でパトリックやダイスとニコニコ笑ってた。
やりきれなかった自分に対する憤りはあったかもしれない。
でもね、彼にはそういうものが必要で、それが彼のエネルギー源みたいなものだから。
それらを取り入れて、また、彼は強くなる。
いつもそれを実感させてくれる。

NHK杯ではきっと素敵なバラ1を、洗練された「SEIMEI」を見せてくれるのでしょう。
パトリックにはGPFでリベンジがきっとできる。
いつもピークが合ってくるこのタイミングで、羽生結弦ができるすべてを出し切った勝負が見れる。

クワド1本でも(ま、GPFが2本かもしれないけど)勝てる、かどうかはそれを見てから判断でもいいと私は思う。

【SC2015】男子SP バラード1番の罠 

スケートカナダの楽しみの一つは公式練習が全部見れること。
もちろん写真も撮ることが出来ます。
なので、普段見れない、選手の表情を捉えることができる貴重な時間です。
私は2013年にカナダで見てからファンになったアイスダンスのアンドリューとケイトリンの公式練習も見たくて、朝早くからリンクへ。

今回のリンクももともとホッケーリンクを利用しているので、サイズは少し小さめ。
北米の大会ではこうした少し小さいサイズのリンクで行われることが多いようです。
もうすでに多くの日本人が席をとりに来ているなか、何となく全体が見渡せるジャッジ側の席につく。
写真を撮る目的で来ている人が多く、キスクラに近い前の方の列から人が埋まっていました。

日本では競技者も多くないし、あまり強くもないので、テレビでもあまりカップル競技が放映されません。
だから、なかなか興味を持つタイミングがないんですよね。
生で初めてこのアイスダンスを見た時はホントに衝撃的でした。
リンクサイドに風が押し寄せるようなスピード感とパートナーとの一体感。
シングルとは違う魅力がそこにはあるし、競技の特性上、絵になる人たちが多いんです。

今年のアンドリュー様のSPの衣装は正統派イケメンを引き立たせる素敵なそれ。
もう、練習から釘付けでした。

でも、もちろん本命は男子シングル。

1グループ目にはパトリックがいて、今年、どんな滑りをするのだろう、とマジマジと見ていました。
確かに皆さんが絶賛するように、スケーティングの素晴らしさはパトリック特有のものがありました。ただ、私もソチシーズンにスケカナ、GPFで生で彼を見て感じたイメージとは随分と違うものがそこにはあったかな、と感じてました。
そう、パトリックの一蹴りの伸びが全盛期ほどじゃないし、とくにエレメンツの入りがあっさりしてて、特にジャンプではスムーズじゃない感じがして。
ああ、やっぱり1年のブランクってそういう時間なんだと感じたのとともに、真央ちゃんが初戦でそれを感じさせなかったのは本当に凄いことなんだな、と感じたりもしていました。

そしてゆづ。
オータムを見た時に、ゆづの太もも周りが太くなったな、という感じがしてて。
彼の棒のようだった体つきも、オトナになってきているのかな、と。
ジャンプは特に4回転は調子がいいな、とは感じませんでした。
ただ、4回転の入りが昨年までに使ってたスリーターンに変わっていて確実にクワドを決めようという戦略なのかな?と思っていました。

そもそもこのバラード1番の演技構成は危険と隣り合わせのそれ。
たった少しの基礎点の向上のために、彼はそれを選択しているのです。
後半で4回転を跳ぶこと、そして、ジャンプの最後にコンボを持ってくることはリカバリが効かない一発勝負の構成です。
今年の試合に勝つことだけを考えたら、これは無謀な選択かもしれません。
敢えて選ぶ必要のないもだと思った人もいるでしょうね。

でも、私はこれを彼が選んだのは、今、この時のためではないのだとずっと感じていました。
(昨年、この構成が最初に発表されてから)

彼はもうすでに平昌オリンピックを見据えて戦っているんじゃないのかな?と思います。
このタイミングでもう一度、金メダルを手にするために何が必要かを考えているからこその選択。想像ですが、平昌ではSPでクワド2本、FSでクワド3本(もしかしたら4本)というのが表彰台の基準になるでは、と思っています。
そう考えると、SPでクワド2本を跳ぶための伏線としてこの後半クワドがあるのでは?と。
だからたとえリスクが高くても、ここで引くわけには行かない。
第二の羽生結弦が彼の座を狙っていることを考えたら。

シニアのライバルもそうだけど、怖いのは、爆発的に成長をしてくる若い世代。
しょーまかもしれないし、そーたかもしれないし、ボーヤンかもしれないし、ネイサンかもしれない。

だから、彼は危険を承知でチャレンジする。

今回の男子ショートは自爆気味な展開。
パトリックもエレメンツのキックアウトを受けて80点台からのスタート。
ちゃんと決まったジャンプが4T-3Tのみだったことを考えるとそれでも点数は上出来。

この点数を見て、私がふと頭によぎったのは、ゆづがこれなら勝てるという慢心を心に抱くこと。少なくとも2年前、スケカナでは同じようなシーンがあった。
パトリックの伸び悩む点数に気負いすぎたゆづが自爆して、出遅れたこと。

そうはならないで欲しいと思っていた。
ドラマチックな方向に、方向に向かう羽生結弦劇場。

演技が始まるといつもつい両手を重ねて祈るようなポーズを取ってしまう。
ひとつひとつのエレメンツが確実にこなせるようにと。

美しいイーグルからのトリプルアクセル
この跳び方のトリプルアクセルでは加点がもりもりつく。
+3しかもらってないんじゃないかな、この跳び方では。

悲劇はその後に起こる。
4Tが抜けて、2Tに。
ゆづのジャンプは転ぶことはあっても、あまり抜けることはない。
まさかの展開に息を飲む。

せめてコンボ決めようという思いは跳び上がった瞬間のずれた軸を見て、絶望しか感じなかった。ダブルを跳んだら、駄目だ、と分かっていた。
だから、3Tをつけるか、跳ばない選択しかなかったんだよね。
でも、本人はそれがルールでキックアウトされることに気づいてなかったらしい。
それだったら、ゆづがセカンドを跳ばないということはあり得ないよね。
その場でできる最大限のことを選んで、0.1点でも多く、積み重ねようとするだろう。

目の前で起こっていることが信じられなかった。
恐ろしい点数が出ることだけは容易に想像がついた。

キスクラで驚いた顔のゆづ。
そっか、気づいてなかったのか、キックアウト。

仕方がないことだけれど、彼も私たちも想像していなかった、ショートを6位で折り返すというハプニングだった。

皮肉だったのはあれほど、「ジャンプだけの選手」と揶揄された彼は3A一本と、その他のエレメンツで、何とか、6位に踏みとどまったのだ。
PCSの評価はパトリックよりも高く出ているものもあるくらいに。

それがソチシーズンからの彼の成長だったと思うし、バラード1番はその成長を彼にもたらしてくれたプログラムだったんだと思う。

本人はどんな気分だったんだろう。
こんな形で負けるわけに行かないと思ったのかな?
それは私たちには分からないけれど、私はだいぶ楽観的だった。

6位とはいえ、1位との点差は7点くらい。
たまアリの逆転劇だってそのくらいの点差をひっくり返している。
同じ奇跡が2度起こることだってある。

静かにその時間を待つこと。
最高のパフォーマンスができるように祈ること。

それが私にできる唯一のこと。

【SC2015/雑感】カナダ、再び。 

さまざまな条件が重なって、ギリギリに滑りこんだ成田。
空港につくまで本当にカナダに行ける気がしなかった。
そのくらい、仕事で崖っぷち状態でした。
それでも、こうしてカナダ来て、観戦することが出来たのは、ただただ、幸せだということなのでしょう。

成田→バンクーバーカルガリーレスブリッジの旅もとっても移動時間が長かったけども、
それでも、最初にスケカナに行った時の、成田→トロント→(モントリオール)→セント・ジョンに比べると少しだけ移動時間は短い。

カナダに訪れるのは、4回目。
まさかこんなに何度も、何度も来る国になるとは思いもよらず。
スキーをやってて、カーリングを輻てて、フィギュアを好きになった私には、この国には魅力的なものがたくさんある。
いつかカナダに住みたいという夢は広がる。

カルガリーまでたどり着いて、1回しか行けなかったTimHotonsでホットチョコレートを入手して、くつろごうと思ったけど、ちょうど、公式練習が始まる時間だったにも関わらず、
仕事のメールのやり取りをしていて、結局、終わった後に動画を探すはめに。
その前に、とってもよかったというのをTwitterで読んで安心しながら動画鑑賞。
ジャンプも決まってて、オータムも悪くなかったから今回は初戦でも期待しても大丈夫かな?と少し安心していたところもあったかもしれない。

みなさんご存知の通り、ゆづとGPS初戦の相性はよくない。
一昨年のスケカナは大自爆、去年の中国杯はあの事件。
どちらも現地でいろんな思いを抱えながら見ていたから、初戦はなにかあるかもしれないという気持ちもあって、少しは覚悟が必要かな、と思っていたのだけれど。

そんな気持ちを抱きながら、カルガリーからレスブリッジへ移動する飛行機が、
18人乗りとあまりに小さいのに驚きながら、何とかレスブリッジに到着。
空港は道の駅みたいに小さな佇まいだし、タクシーは自分で呼ばないと来ないし、
本当に、これ空港?という感じの小さな小さな空港のある街にたどり着いた。

ホテルについて、周りを散策。
大きなスーパーもあるし、お食事処もいろいろあるし、セントジョンに比べたら過ごしやすい街なのかな、と思いながら、翌朝の公開練習に向けて、眠りにつくのでした。

【脱線】行けるのか、カナダ その2

遠征するのに直前までこんなにやばいのは始めて。

明日の夜には機上の人になっているはずの私はなぜか今、西向きの新幹線に乗っている。
朝一でお客様訪問して仕事を終えたら、伊丹空港から、成田空港へ飛んで、
仕事道具を自宅に送りつけ、事前に成田に預けた荷物を受け取って、
チェックインするというスケジュールに追われる計画に。

普段はこんな無茶はしないんだけども、ぎりぎりまで粘ろうと思った結果がこれ。

思えば、2015年という年が明けて、数日して、
スケートカナダがレスブリッジで行われることを知り、
フライト情報を調べたり、地図を調べたりした自分の予知能力を恐ろしいと思う。
まさか、本当に今年、また、カナダに行くことになろうとは。

不安はあって、バタバタと準備したので、すべてが揃っているかは正直、自信がないけども、
先進国に行くのはあんまり心配しなくても大丈夫とたかをくくっているw。

今年は以前にも増して、日本でのチケット取りがすごい状態になっていて、
ご多分にもれず、私もN杯は金曜しかチケットを持っていません。
金曜日にN杯に行って、帰りは軽井沢まで帰って来て、翌日、カーリングでもするか、
とある意味、開き直ってます。
縁があってチケットが手に入ったら、土、日も見るかもしれないけど。

もともと今年はファイナルとワールドだけのつもりだったけど。

何だか駆り立てられるようにカナダに行こうと決めたのは、
ある意味、神のお告げだったのかもしれない。
何の調整もついてないのに、ガシガシ準備した自分にちょっと驚いたけども、
そういう第六感的な何かが私をいつも助けてくれているのだと思う。

明日の夜、機上の人になるまで安心できないけども、まずは何とか辿り着けそうです。
せっかく買ったカメラを駆使することも一つのミッションだけども、
たぶん、私はまたもやぼんやりして、まともな写真が取れない気がしてたりもします。

しかも被写体はちっともじっとしてない男の子ですし。

ま、何はともあれ、現地であのプログラムを生で見れるのがとっても楽しみです。
そして、公式練習の練習着も楽しみです。

その前に、今晩、最後の山場を超えるための仕事を終わらせることが大事。
さて、もう一頑張りします。

いつも適当ですが、また、適当にレポします。
Twitterはきっと煩いくらいつぶやきます。
ブログはもしかしたら帰って来てからまとめてかもしれません。

現地に向かわれる方、気が向いたら、お声がけください。

【脱線】行けるのか、カナダ その1

来週の今日の夜には機上の人になっているはず。

たぶん。
本当に行けるのかは今は仕事的には微妙。
でも、それをモチベーションに頑張ってきた自分にとって、辛いことにならないよう、最後まで頑張ろう。
 
 
さて、ちょっと寄り道して、カナダ旅行に役立ちそうなネタと自分への備忘録でも書いてみようかと。
 
実はこのカナダ行きで私のカナダの滞在は4回目。
本当に縁のある国です。
 
 
私はカナダ行きにエアカナダを選びました。
実はエアカナダはカナダの国内線をほとんど独占でやってるため、マジでサービス悪いですw。
期待しなければ、大丈夫。
真夜中に提供されるカップラーメンは前のときは日本のものではなかったので、微妙な味。
ダイエット向きの飛行機です。
 
カルガリーからエアーでレスブリッジまで行く飛行機は小さい飛行機です。
大抵、揺れます。
苦手な方は酔い止めとか用意したほうがいいかも。
 
途中、カルガリーのトランジットで時間があったら、フードコートにチャレンジするのも面白いかも。
怪しい日本食メニューを食べることができる可能性がw。
私は以前に怪しい怪しいソフト麺のようなブロッコリー入りのうどんに出くわしたことがあります。
あの衝撃は今も忘れませんw。
 
あと、カナダに行ったら試して欲しいのがTimHotonsというファストフードのホットチョコレート
労働者のスターバックスと言われているお店なので、むっちゃ安いです。
そして、ホットチョコレートは微妙に効いてる塩味がハマっちゃう理由かも。
 
あとドーナツもオススメ。
ただ、基本は甘いのでシンプルなものがいいかも。
 
レスブリッジはまだ行ったことがないけど、カナダの田舎は基本、とてもいい人たちがいます。
多分、彼らにとっても、日本人は珍しいだろうし、いろいろ話しかけられるかも。
英語苦手という方もいるかな、と思うけども、カナダの人は英語が上手くなっても一生懸命に聞いてくれようとする人も多いので、恥ずかしがらずに話しをしてみると、世界が広がって楽しいかもなぁ。
 
スケートカナダの雰囲気は日本人の一部を除けば、基本、まったり。
現地の人はビール飲みながら見てたり、お隣とお話ししながら、あーでもない、こーでもないとやっているおばあちゃんたちがいたり、地元のスポーツ観戦は感じ。
 
できれば、日本での観戦マナーを押し付けないで欲しいな、と思う。
ノメラーもらいるし、静かじゃないし、演技中も写真撮ってる人もいるけど、それも含めて会場を楽しめると、イライラしなくて済むかな?
 
ただ、今年は日本人も増えるだろうし、雰囲気も変わるのかも、、、、。
 
 
ちなみにスケートカナダってカナダの田舎でやるのは何でだろう?って思った人もいると思うのだけど、スポーツイベントで街を活性化させるのを目的にしてるようです。
レスブリッジは次はカーリングの国際大会も予定してたりします。
 
あと、スケートカナダのチケット、安いなぁと思いませんでしたか?
聞きかじりですが、こうしたイベントをボランティアを中心に運営していることが理由の一つのようです。
 
地元を活性化したい人、
フィギュアが好きな人、
ボランティアが好きな人、
そんな人たちが素晴らしい大会を作ってくれるのです。
 
それは素敵なシステムですよね。
日本では熱狂的すぎるファンが沢山いて難しかもしれませんが。
 
あと練習は基本、全部見れます。
写真もフラッシュ利用、1眼レフ(望遠の大きなレンズがついてると注意される)と、動画が禁止のようです。
ルールも緩いし、監視もそれほど厳しくないのは、観客を大人だと信じてるからじゃないかな、と私は思うので、そこは大人な対応をとるようにしようかと、思ってます。
 
ま、私は興奮すると写真に気がまわらない人なので、いつもまともな写真が撮れませんw。
 
練習で楽しいのはエキシの練習かも。
みんな競技の緊張感から解放され、わっちゃわちゃと楽しむ姿が見れます。
織田くんとゆづの子供のようなやり取りが前回の一番の楽しみでした。
 
 
長くなってきたので、とりあえず、続くw
 
 

【AC】 FS 「SEIMEI」に吹きこまれた生命(いのち)

本当はライブで見たかった。
何とかその時間を調整したかったけれど。
仕事が佳境でとてもそんな時間をさくことが出来ませんでした。
なので、お昼休みに動画で鑑賞。

夏にDOIでこのプログラムのショートバーションを始めてみた時のことをふと思い出す。
意外なな曲と聞いて「和」を思い浮かべた。
シルエットから光に包まれた衣装を見て、「陰陽師」だとなんとなく受け取った。
このシーズンに彼が選択した冒険は私をワクワクさせた。
この「和」テイストのプログラムがボストンワールドで演じらることを考えてゾクゾクした。

ようやくここに来てその全貌が見れた。

圧巻のプログラム。
もちろんまだ未完の状態なんだけれども、彼が演じたい「SEIMEI」は確かに羽生結弦によって、そこに存在し、これからを期待させる出来に仕上がっていた。

私がここ数年、見てきて分かっていることは彼は徐々にギアを上げていくタイプだということ。
だから、夏のショーでジャンプが決まらなくても心配しなくなった。
シーズン初めに大自爆大会に出くわすことも私の中では予定調和。
だから、ショートのバラ1の出来をみて、やはり持ち越しって凄いなと思っていたのに。

なんだろ、この「SEIMEI」の出来っぷりは。
もちろん、ブラッシュアップすべきところはプロトコルと突き合わせるとたくさんあるのでしょう。目標としていた4回転3本も決められてないし、得意のはずの3Aのコンボも決まってないし、本人にとっては課題だかけなのだろうけど。
彼がどんな世界を私たちに見せたいのか、という根っこの部分がひしひしと伝わって来る感じで、もう次の進化を見るのが待ちきれない感じ。

そして、シェイリーンの振り付け。
本当にゆづをどうやったらかっこ良く見せられるかを本当に分かっているんだろう、と思わせる振りの数々。
オペラ座の時も驚いたけども、今年はそれ以上。
やはりお互いが分かってきて、熟成されて、醸しだされるものってあるんだな、と思わせる。
こうなると、オリンピックシーズンはやぱりシェイかな?
私はウィルソンのフリーの振りよりはシェイの方が格段に好きです。

音の中に散りばめられている日本の楽器で奏でられる音。
そして、和の旋律。

いま、彼はそういった自分の中にある日本人らしさをこのプログラムを通して世界に見せていきたいのかな?とふと。
フィギュアではなかなか受けられにくい音楽があると長年、スケオタだった人たちはおしえてくれる。
そう、点数が出にくいと表現されることもある。

フィギュアの採点には「曲の解釈」なんて項目があるのに、音楽に根ざす文化がわからない人たちがそれを採点したら、ばらつきもあるだろうし、想定外に点が出ないなんてこともあるだろう。
だから定番曲が何度も、何度も使われてきている。

そんな競技であることを知っていながら彼が選んだ「SEIMEI」には彼のどんなメッセージがあるのだろう、と考えずにはいられない。
この完成品がどこで見れるのかわからないけれど、一つも逃さず見たい、気分になったかな。

ジャンプは軸がだいぶ怪しいし、着氷も微妙なものも。
もう少し調整が必要そう。
そりゃ、あんだけ難しいつなぎを入れたらみんなそうなるわ!と突っ込みたくなる気持ちを押さえ、まずは成り行きを見守ろうと心に誓うのでした。
そんな状態でも練習してない3Loからの3連を跳んだのを見て、変な笑いが止まらなく私。

強いな、こいつ、本番に、とポロッと口から出たのが私の本音。
きっと心臓にたくさん毛が生えてると思う。

衣装についてはまだ言及を避けようと思います。
というのも、彼の衣装はテレビで受ける印象と、会場で見る印象がだいぶ違う。
なので、本物を見てから語ろうかとw。



さて、そんなSEIMEIさまのナマの姿にスケカナで遭遇できるはずの予定なのですが、
仕事の予定が怪しいことになってきております。
行けなかったら、私、きっと廃人になる予感がする。

ということで、鋭意、死ぬ気で頑張っています。
(あれ、死んでも行けないかw)。

シーズンが始まったんだな、と激流のTLや、ニュースを見て感じる今日このごろです。

今週はしょーまと、ムラくんと知子ちゃんを楽しみに迎えようと思います。
特にムラくんの新プロはまだ私は全然見てないのですっごく楽しみ。

【AC】SP 新しいバラート1

公開練習を見た時から、良い予感しかなかった。
早く見たくて仕方なかった。

リンクサイドに現れて、ジャージから見えた衣装は去年のバラ1より白っぽい色だった。
どんなアレンジにしたんだろう、とゆづファンはみんな楽しみにしていたと思う。
そして、ジャージを脱いで現れた衣装には、なんと去年のトップスと同じ感じの形で色はもっと薄いブルー。そこにゴールドのアクセントが、袖口とわきについたもの。
そして、パンツのベルトがゴールド。
好みか?と聞かれるともうちょっとシンプルでもいいのかな?と思うけれど、
そこに彼の「ゴールド」へのこだわりがある気がして、ぷっと吹き出してしまいました。

今年は奪還されたWorldのゴールドを取るという思いにつながってるのかもしれないね。
去年同様、シーズン中に色が濃くなったり、アレンジが変わったりするのかな?それはそれで大会ごとに楽しみが増えていいんだけどね。

ライストは思ったよりも画質がよくて驚く。
その視聴者の数にも驚く。
世界中に(もしかしらその多くは日本人かもしれないけど)彼の新しいプログラムを楽しみにしている人がいる。

私はゆづ不足のあいだ、他のスポーツの選手も応援したりしてたので、それはそれで紛れましたが、やっぱり、羽生結弦という存在は私にとってはちょっとレベルが違う。
(これから先の保証はしないけどもw)
彼が醸しだすものは私にいつも力をくれる。

目を閉じて、静かにバラードが流れだす。
そう、滑りだす、というよりも流れだすという感じに見えて。
あまりにも静かなそのスタートが厳かすぎて、それだけで満腹(いや、そんな場合じゃない)。

毎年、毎年、驚かされるのがスケーティングの上達。
何の引っ掛かりもなく、とても滑らかにそして自在に氷の上を滑っていく姿がそこにあって。
最初のジャンプ前のイーグルから、3A、そしてイーグルまでとても静かに滑り切る感じ。
そこに高難度ジャンプが入ってるなんて思えないほどに、スムーズで。

ゆづのエレメンツでスピンは安心して見てられる一つ。
早くて、軸が真っ直ぐで、そして、感情豊かなスピン。
音楽とよりそうというよりも、彼そのものが音楽なんじゃないかと錯覚を起こしたりもする。

そこからはちょっとドキドキする4Tへのステップ。
また、なんて超絶に難しいステップ入れて跳ぶ気なんだろう。
クワドを後半にしただけじゃ満足できず、そこまでこだわるのか、と。
クワドへの入りのステップは私の好きなスリーターンではなくなってたみたい。
ここは後で、もうちょっと見返して見よう。

鬼門の3Lz-3Tも何とかこらえてジャンプは上々の出来かな。
初戦にしては。

最後のステップはもう、これが完璧に仕上がったら、現地で鳥肌たつわ、という構成で。
毎年、新しいプログラムを見たいという気持ちももちろんあるのだけれど、持ち越しすることで、
こんな進化を見れるのなら、それはそれでいいかもしれない、という気持ちにもなりつつ。

そんな風にゆづの初戦SPはそれなりにまとまった感触。
4TはURだったようで、93.1。
この点数を見て、ゆづだったらもうちょっと行けるよね?と思わせてくれる凄さ。
普通の選手だったら、ノーミス、完璧演技かもしれない。
それだけレベルの高いところにいるんだね。

初戦で、そんな状態なのに、彼は「悔しい」という。
今シーズンも「悔しい」から始まるのね。
でも、最後には、満足でしたって終われたらいいね。
それを本当に、本当に、心から願ってやみません。

今日のところは調子も良かったし、クワドがURになったのも、手をついちゃったのも、
そこがまとまらなかったのも、本当に悔しいんだろうと思うけれど。

シーズンはまだ始まったばかりです。
このバラード1の進化を見続けることができることが今の私のモチベーションやエネルギーになりそうです。

■進化の兆し

本当は3時に起きようと思っていた。
初めてのプログラムを早く見たかったけど。
でも、体は目覚めない。
今週は寝不足だったので、無理でした。
たまたま、仕事が忙しいのです。
今、頑張らないと、カナダに行けないので、一生懸命です。

それでも起床は5時半。
起きて、まずしたことは、スマホでTLを確認すること。
どんな練習風景だったのだろう、とものすごく気になって眠りに落ちたから。

たくさんつぶやかれている現地レポート。
公式サイトで公開されている映像がワラワラと。

まずは、映像を見るところから。
結果、予想はいい意味で裏切られたような気がします。
思ったよりも仕上がっている感じ。
通し練習を見るともちろんエレメンツを抜かしているところもあるのだけれど、
この時期にしては振りのひとつひとつがしっくりと来てて、凄いな、とひたすら感動。

私の大好きな美しいジャンプにうっとり。
でも、何度も見返しているうちに、ちょっと違和感が。

彼はとっても細くて、ジャンプしている姿が棒のように見えるイメージだったのだけど、体幹がしっかりしたというか、真ん中にエネルギーが溜まっている感じにみえて、
ジャンプそのものの安定感がものすごく増したような感じがありました。
なんだろ、この安定感は。
と思いながら、何度も映像をリピート。

よ~く、よ~く、見ると、太もものあたりの筋肉が恐ろしく育っていることに気づく。
棒がうすーい菱形になっているイメージ。
ジャンプそのもののシルエットが見事に変わっている感じ。
その結果なのか、とても安定した感じのジャンプに。

しゅっとカッコよかったジャンプが、軽く、強いジャンプになったように見えて、鬼リピ。(もしかしたら私の妄想かも知れませんw)。

短期間にこんなジャンプを手に入れたんだ、と感慨深げに。

そして、SEIMEIの動き。
あまりにもかっこよくて、鼻血でそうでした。
もう、うっとり。
ある雑誌のシェイリーンとケンジ先生の対談で、シェイリーンがゆづがかっこよく見えるところをしってるから、なんて話が出てたのだけども、まさに、そう。
彼の所作のどこが美しいかを知ってるんだな、と本当に思う。
オペラ座もゆづに合ってるプログラムだな、と思ったけど、SEIMEIはその上を行くんじゃないかな、と期待は風船のように膨らむ、膨らむ。

もう、フリーが待ちきれません。

フリーがこの完成度ってことは、バラ1はどんなに進化してるのでしょう?と思うと期待しかありません。

ふと、神戸で福間さんとバラ1を即興コラボした時、ゆづは何を考えていたんだろう、と思いを馳せます。
世界選手権のあとに継続を決めたというバラ1。
きっと次にどんなブラッシュアップをするのか、何を変えていくのか、そんなことも感じながら、あのコラボで何か、福間さんの音から新しいアイディアだったり、インスピレーションを受け取ってたかも。
それが今年の演技につながっていたら、どんなことになっちゃうのだろう、と、ふと。

あれが映像で見れないことが本当に残念。
自分の頭のなかから映像を取り出して何度、見たいと思ったことか。

これ以上待たされたら、バラ1も、SEIMEIも、妄想が膨らみすぎて困ります。
明日が待ち遠しくって、1秒1秒が長く感じます。

あ、そういえば、映像で4T-3Tを跳んでいるのを見ました。
あれ、どこで跳ぶのはとても、興味津々。
もしかして後半の4T-2Tを安定させるため、練習で4T-3Tで跳んでたりして、なんてとんでも予想をしてみる私でした。

ああ、シーズン、始まるんだなぁ。
始まったら、きっとあっという間。

トップスピードで駆け抜けるシーズンがやって来たね。
ワクワク、ドキドキしながら、遠足の前の日の子供のような気分で眠ります。
(まだ、寝れねいけどw。)